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幼児期から思春期へ
(3月5日座談会より)
 

子どもたちがきちんと座れなくなって久しくなりました。横を向いたり足を出したり、ゆらゆら動いたり、椅子にきちんと腰掛けて座れません。その落ち着きのない姿から、きちんと座れない=集中できない=理解力の低下となるのではと心配になります。また立っていられず、すぐに壁にもたれかかる姿が目立ちます。知育の面では超早期教育が行われている現代、子どもたちに何が起こっているのでしょうか。

緑に囲まれゆったりした環境で育っているはずのニューヨークで、日本語による幼児の塾や様々なお稽古事の場ができてから、子どもたちの生活にゆとりが少なくなりました。日本国内同様の忙しい生活を強いられている子どもたちに、「大きくなったら何になりたい」と聞いたとき、5歳児ですでに自分の能力を見限っている言動が見られます。夢や希望を語ったり伝えたりする機会が少なく、子ども自身の時間や空間にゆとりがないからでしょうか。じっくり考えたり工夫したり、失敗しながらも繰り返し試してみる体験を、大人が奪ってしまっていないか省みる必要があります。

 子どもの発達は親子や周りの大人との信頼関係が確立するところから始まります。赤ちゃんはたくさんの依存体験があって信頼関係を確立していきます。2,3歳ころに身につく自律(自分をコントロールする力)、4,5歳に発揮する自発性は友達関係の中で育ちます。乳幼児期の成長の中で思う存分受けるスキンシップは、人間の基本となる「ことば」が育ち、前頭前野(衝動や感情を自制・制御する)を発達させるのです。乳幼児期は人格形成の基礎がつくられていくとりわけ重要な時期であり、この時期に子どもがどのような他者と出会い、いかなる関係を持つかということが、子どもの自己形成にとって大変重要な意味をもちます。
このように人間の土台を形成していく重要な時期に、日本語(わかることば)から英語に変わることは、子どもの健やかな成長を根本から揺るがすことになります。

小学生時代に身につけなければならないのは勤勉性です。この時期はできるだけたくさんの友達との関係から多様性を学び、思考を深め、努力する日常を送ることが大切です。
勤勉性とは自分で目標を持ち、見通しを持って生活することで身についていきます。親が決めた方向に沿って行動している間は、考える力や行動力に欠け勤勉性が養われず、思春期をうまく乗り越えられない要因をつくることになります。

 思春期は最大の反抗期ですが、人として大きな成長と変革を遂げるときでもあります。自己洞察(自分の存在の意味や適正を模索する時期)が深まり、仲間や他人の目に自分はどう映っているかが一番気になり、仲間を通して適性感を養い、自分の姿を見つけていきます。

子どもの発達を調べた調査から、パターン認知型(決められたことを繰り返して覚える生活)を1,2歳ごろより繰り返している子どもより、体験認知型(子ども自身が体験して得ていく生活)の子どものほうが情緒も安定し、社会性、自発性、認知、言語、運動全ての分野で優れた発達を遂げているデータがあります。もちろん、パターン型の生活をしていても、体験型の幼児集団で生活する場合は途中で修正されます。しかしながら、このパターン認知型の生活を学齢期以後も続けた場合、思春期に自分探しができなくなる恐れが出てきます。思春期の混沌を放置していると、家庭内暴力や引きこもりなどを引き起こしてしまう要因にもなりかねません。思春期に何らかの問題や課題が出てきた場合の殆どの要因は、乳幼児期の育ちにありますので、その過程を省みて対処していかなければなりません。

 十分な依存体験→自律→自発性→勤勉性→自己洞察→自分が存在する意味を知る
これらの育つ過程を踏んでいくために欠くことのできないものがあります。
1.自分で考える力
2.自分の気持ちをことばで伝える力
3.困難にあったときに逃げないでがんばる力

子どもは昨日のことを悔やむより、明日のことを思い描きながら生きています。明日はどんな新しい経験が待っているか、どんな楽しいことがあるかと待っているので、昨日よりあしたがすきです。幼児は「あした」ということばを「きのう」より先に覚えます。(国立国語研究所報告)
明日にわくわくする心や感じる力は、自由な時間や空間をイメージし創造(想像)するなかから生まれます。楽しみは希望であり、希望は粘り強さを育て、人生の成功へと導いてくれます。

最後に子育て中のお父さん、お母さんに伝えたいこと。
*子どもの自分で育つ力を信じましょう。
*親も豊かな経験や読書で自分を高めましょう。
*「だめなことはだめです」といえる親になりましょう。
*マスコミの情報や人のうわさを聞いても、動じないよう自分を鍛えましょう。
*対処に困ったときは子育ての経験者に話してみましょう。

 

 
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